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町田康    「スピンク日記」(講談社文庫)

 吾輩は猫であるではなく、吾輩は犬であるの町田版。プードルであるスピンクからみた、

 スピンクの主人である作家ポチ、妻の美徴さんと後からやってきた、スピンクの兄弟であるキューティーの観察記。その主たる対象は、主人であるポチ観察。ということはこの作品の主人公はスピンクでなく作家ポチ。

 だいたい、人間という動物は刹那的。もっと計画性をもっていろんなことをやれば、生活も快適で楽しくなるはずなのだが、それができない。今年は暑くなるぞと言われているのだから、早めにエアコンを買っておけば、シーズンでないので安く買えるのに、ぐずぐずしてまだいいやと思っているうちに猛暑がやってくる。それで、家電売り場へは、刹那的な人間が殺到する。価格も殆ど割引なし。購入したからといって在庫はなく、取り寄せで時間がかかる。さらに設置工事者が間に合わない。それで、なんだかんだしていると、秋の涼しくなってからエアコンが設置される。

 暖房器具も、これでいいやと購入してきても、全く効き目がない。寒さに耐えられないからまた次の器具を購入する。これも効かない。そんな時ポチは絶対失敗したとは言わず、なんだかんだ理屈をつけ、まわりのせいにする。知らないうちに部屋は不要な暖房器具ばかりになる。でいっこうに温まることはない。

 こんなバカな作家ポチを冷ややかにスピンクがみて、馬鹿らしさを表現する。

 犬は縦社会。基本的には主人に忠実となるはず。だけど、こんな主人にスピンクは忠実にはなかなかなれない。ひょっとしてスピンクは作家ポチを自分より低くみているかもしれない。それでも作家ポチはスピンクが可愛くてしょうがない。

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| 古本読書日記 | 12:57 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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