FC2ブログ

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

≫ EDIT

神津善行     「音楽の落とし物」(講談社文庫)

 音痴というのがある。音痴の殆どは、学生の頃大声をだして、声をからしてしまうと、声帯が敏感に働かなくなって起こるのだそうだ。これに対し先天的に音痴という人がいる。これは、今もって原因はわからない。それで凄い重大疾患なような名前がつけられている。「脳性楽音高低痴呆症」というのだそうだ。何だかボケ老人にされているような名前だ。

 ところがこの音痴を逆手にとって歌手になり売れた人がいる。アメリカのF.F.ジェンキンスという歌手である。この人、演奏とは大外れになるのだけど、一流のオペラ歌手のように美声で歌う。どの会場もすべて満員の聴衆で埋まる。この大外れ音痴は芸術の領域に達しているということで、絶対笑ってはいけない。もし笑うと係員により強制退場させられる。そのため、会場には、椅子の下にクッションを持ってもぐり、クッションに顔を沈めて笑いを堪えていた人がたくさんいたと言う。

 ジェンキンスは何とレコードも7枚だし、そこそこ売れたというから驚きである。

 現代音楽の作曲家ジョン・ケージに「4分33秒」という作品がある。ピアニストが椅子にすわり鍵盤蓋をあける。しかし何も弾くことなく、じっと座ったまま、4分33秒がたつと、鍵盤蓋をしめて演奏が終わる。
 この演奏をカラヤンがすると、鍵盤蓋をしめた途端「ブラボー」の声がかかり大拍手。おなじことを掃除のおばちゃんがやると大ブーイングとなり、色んなものが舞台に投げ込まれるのだろう。

 白秋と山田耕作コンビは名曲をたくさん残しているが詩に「道」「白い」「花が咲いた」という言葉が多く、曲調も似ている。かの有名なオペラ歌手である藤原義江「この道は」と歌いだしたが次の小節になり「からたちの花が咲いたよ」となってしまい、その後わけがわからなくなり「この道」と「からたちの花」がごちゃまぜになって歌い終えたことがあったそうだ。

 演歌にも似た曲調のものが多い。時々スナックで「夢追い酒」の演奏で「思い出酒」を歌う人がいる。

ランキングに参加しています。
ぽちっと応援していただければ幸いです。
にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

| 古本読書日記 | 15:38 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

COMMENT














PREV | PAGE-SELECT | NEXT