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町田康   「つるつるの壺」(講談社文庫)

 私達の時代のシンガーというのは、普段の服装で登場して、内向的、メッセージソングを歌っていた。もちろん、本音の部分では、でっかくあてて大金持ちになって優雅な生活をするのだという野心があったかもしれないが、表面的には普通で、そんな野心は表面にはでていなかった。そういう点では、普通の人々との差異は少なく、失敗すれば、普通の人々の流れに同化しやすかった。

 町田のエッセイを読んでいると、ロック、パンク歌手というのは、とにかく音楽世界で一発大きくあてて、毎晩、スーパーカーで美女をはべらせ、遊びまくる生活をする。そんな野心をあからさまにだして、音楽を創造する人たちのように思える。それ以外に自分たちがバンドを組んで演奏する価値はないと身体中から発している。

 しかし、それで成功した人は殆ど皆無。町田はたまたま文才があり、その才能が町田を救った。ロック、パンクは、20代半ばくらいが、世に出る限界年齢。しかも、一旦その世界にはいると、抜け出ることができなくて、貧乏に窮しながら気が付けば30年パンクをやっている自分を発見する。

 そうすると、カップラーメンをすすり、朝からチビチビ酒をなめながら、午前中は「桃太郎侍」昼は「新伍捕物長」午後一番は「鬼平犯科帳」そして4時から「大岡越前」ぼうっとみつめている生活に陥るのである。

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| 古本読書日記 | 16:23 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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