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司馬遼太郎   「歴史と視点」(新潮文庫)

 九州肥前の守護職大名だった大友宗麟。その後勢力を拡大して最盛期に九州の80%を配下に収める、九州一の大勢力大名となる。

 この大友宗麟、フランシスコザビエルとも会っていて、キリスト教を信仰し、洗礼までうけているキリシタン大名として有名である。
 彼が最後に居城とした臼杵城の城内は、西洋との貿易で栄え、一見西洋の街のような雰囲気があり、聖歌隊があったりオペラも上演された。

 こんな雰囲気だから、遠藤周作がいくつか大友宗麟を物語やエッセイにしているが、当然キリスト教信者である遠藤は、大友宗麟を絶賛している。

 ところが、司馬のこの本を読むと、大友宗麟の評価は最悪である。とにかく宗麟は漁色、女癖が節操もなくひどいのである。義理の母を側室にしたり、部下の妻や娘に強制的に手をだしたりする。毎晩酒池肉林の生活をする。

 これでは、部下がついてこられない。大友は当時、北からは毛利、南からは薩摩の島津に常に攻められる状況で、あちこちで戦をするが、悉く負ける。つまり、誰も大友に従わないのである。それで、最後は領地も減り、臼杵に引っ込み、城も明け渡し、普通の小さな家で隠居となり生涯を終える。

 司馬はこうしたことをあげ、大友の酷さを強調する。

 歴史というのは、その人を目の前でみているわけではないし、文献も多くあるわけでもない。
遠藤も司馬も同じ文献から、大友を見ているのは間違いないにもかかわらず、これだけ180度評価が別れる。面白く興味がつきないところである。

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| 古本読書日記 | 16:10 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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