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レイモン・ジャン  「ふたり、ローマで」(新潮文庫)

 物語は、二組の若夫婦とともに進行する。
 妻ソフィー  夫ブリュノ
 妻イリス   夫リオネル
そしてイリスとブリュノは不倫関係にある。

 悪いことに、ブリュノはニースに出張と嘘をついて、イリスとローマでサッカーヨーロッパチャンピオンシップを観に行く。
 そして、シュートが決まったとき、最も大喜びしている観衆として、2回も不倫の二人がテレビに映される。何しろ、世界中に中継され、ヨーロッパでは大多数の人々が視ている。
当然、ブリュノの勤めている銀行でもソフィーの親や親戚でも騒ぎになる。

 このことにたいしてブリュノ夫妻とリオネル夫妻が好対照の対応をする。

 ブリュノの妻ソフィーは、夫の裏切りに衝撃を受け、嫉妬に狂い、もうダメと絶望の底に沈む。ブリュノも気が動転して、何と弁護士をたて、テレビ局を訴える。

  一方イリスの夫リオネルは、イリスの生き方をみていて、これもありかなと思って、いらだつこともなく現状を受け入れる。
 イリスは「柔らかい女」という運動組織を主宰している。この考え方が面白い。

 人間は元々甲殻類だった。何が襲ってきても、甲殻で身を覆い徹底して守り固める。しかし人間は甲殻類から脱皮して、守っている骨を柔らかな肌で包むようになった。
 肌は触れ合うためにあるもの。人間は相手を受け入れ認め合うように進化した。だから不倫は起こって当たり前のことだと。

 硬い甲羅に身を固めて、絶望、孤独に陥るのは進化前の人間の姿なのだ。
そして、物語はどちらを選択するかは、読者にまかせると終了している。

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| 古本読書日記 | 16:19 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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