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今野敏    「曙光の街」(文春文庫)

 元KGBだったヴィクトル、KGBからFSBに組織が変わったとき、そのFSBに移れず、貧しい暮らしを強いられていた。そんな苦境な時、KGB時代上司だったオギエンコに、日本の暴力団津久茂組の津久組長を殺すように命じられる。2万ドルがその報酬である。

 津久茂組長、毎晩、組員の兵藤とその配下のリョウを用心棒にして、ビリョースカというクラブに繰り出す。そしてそこにいるエレーナというホステスを連れ出し自分のマンションに連れ込み遊ぶ。
 こんな隙だらけだから、ヴィクトルはいつでも組長を殺すことは簡単にできる。何故そうしないのか少し読んでいてイライラする。まあ、これでは物語にならないから仕方がないとは思うが。

 しかし、ヴィクトルがエレーナを連れて、組長のマンションに忍び込み、組長を射殺し、そこからエレーナの父親だった、公安外事課の滝課長と対面、対決する場面は、描写に迫力があり興奮のしっぱなし。この過程でオギエンコの目的、滝課長の警察への裏切りが暴露されてゆき、一層この場面の印象が強く残る。

 それにしても、女性をあてがわれて篭絡されてゆく、諜報活動者たちの実態。実際もそうなのだろうかといつも疑問が残る。それから、滝課長は女性と引き換えに色んな情報をKGBに流していてとんでもない男なのだが、こういう男は決して逮捕はされることはない。辞職をするだけで、後は普通に社会で生きていける。

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| 古本読書日記 | 16:53 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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