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今野敏    「烈日」(ハルキ文庫)

 短編集。
 この作品集では、東京湾臨海署が、いつもの作品と幾つか変化があった。建物がバラックのような簡素な2階建てだったものが7階建てのビルになっている。強行犯係は安積班だけだったのが、2つの係ができていた。一係は今の安積班が引き継ぎ、新たに二係ができていて、何と係長に安積のライバルの相楽がついていた。更に、安積班が一名増員され水野という女性部長刑事が加わっていた。これで部長刑事が3人。水野の他に、村雨と須田である。

 村雨はしっかり、厳しく働き、報告もきちんと上げ捜査官の見本のようなタイプ。一緒に組んでいる部下にも、厳しくあたる。一方、須田は体が太っていて、動作も緩慢。見た目刑事にはみえないが、事件の見立てが幅広く、カンも鋭い。そのカンにより犯人逮捕につながることがしばしば。周囲はツキだけと言うが、安積係長はそんなことはなく名刑事だと評価している。

 メゾネットタイプのマンションの一階部分で女性の変死体がみつかる。二階部分の階段手すりからロープがぶら下がっていて、鑑識により死因は縊死。自殺で間違いないと判断がなされる。

 しかし、水野がキッチンのゴミ箱に、新しい料理の材料が捨てられていることを発見する。料理をしている人が、途中で自殺するだろうか、更に首つりという自殺は、覚悟の自殺方法であり、衝動的には行われない。
 そんな時、カンの須田がぼそっと言う。

 「これは『地蔵かつぎ』だ。」と。
地蔵かつぎというのはロープを首にまきつけ、背中合わせになり、相手を背中にかつぐことを言う。相手は足が地面から離れ、宙つり状態になり、首が絞められる。
 このつぶやきが殺害方法だろうと捜査の指針となり、事件は解決する。

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| 古本読書日記 | 17:16 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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