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今野敏    「最前線」(ハルキ文庫)

 会社で華々しくみえる部署とはどこなのだろう。マーケティング、企画部門、商品企画、経営企画、それから広報部門などが上げられる。

 しかし新入社員は、いきなり華々しい部門に配属されることはまずない。営業最前線や管理部門が普通の配属場所。そんな部門に配属され、まず夢が破れる。そして、それらの部門には、たいがい嫌われ者の鬼軍曹みたいな人がいて、結構身柄をそんな人に預けられることが多い。

 そんな鬼軍曹は、仕事だけでなく、箸のあげおろしのような、些末と思われることまで、厳しく躾られる。もちろん、仕事に関しても、報告の仕方、口の利き方までネチネチ言われる。そして、鬼軍曹を大嫌いになる。周囲をみるとこの鬼軍曹をみんな嫌っている。だから課長は何でこんな嫌われ者を放っておくのだろうと不満になる。

 ところが不思議なもので、次の部門への異動が決まり、鬼軍曹と別れるときがくると、鬼軍曹に対して非常に親身な気持ちがわいてくるし、懐かしく思う。

 そして、新しい部門で行き詰まるときがあると、いつも鬼軍曹の言葉や叱られたときのことが浮かんでくる。あれほど嫌っていた鬼軍曹をよりどころにして仕事をしている自分に出会う。

 組織で伸びてゆく人の多くは、多くの人がこんな鬼軍曹と出会っている。若いときに鬼軍曹に出会えなかった人は意外と伸びない。

この作品にでてくる村雨部長刑事は軍曹の典型。その元で過ごした大橋刑事は、今は事件の最前線で最も活躍している刑事になった。

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| 古本読書日記 | 16:18 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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