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重松清    「ファミレス」(下)(角川文庫)

 重松はこの作品で「アラフィフ」という言葉を流行らせたかったのかもしれない。

 50歳前後は、だいたい子供が大学にはいり、家から独立して生活を始める頃。すると家には夫婦2人が取り残され、毎日夫婦だけで顔を合わせた生活が始まる。まだ、どちらの親も面倒をみなければならないというところまでいっていない。これから、2人だけで生活せねばならないのかと思うと、どことなく未来に陰りがでてきてそれが重圧になる。

 で、気が付く。過去を断ち切り、新しい自分の世界を創る最後のチャンスが50歳前後だと。このチャンスを逃し、60歳以降となると、両親の世話もでてくるだろうし、そこから新しい世界へ飛び出そうなどという気力は沸いてこないだろう。

 大震災で家を失い、冷たい世界にはじきだされた人たち。また元の場所に戻りたいと考える人たちは殆どいないそうだ。それは、今まで送ってきた過去を断ち切り、新しい世界を切り開かねばならないことを意味する。

 そんな人たちの心は実に寂しく孤独である。思い出がいっぱいつまった家を失うことは本当に辛い。

 過去は、未来を新たに創っていくための支えになるもの。だから、過去を全部否定し、なかったことにして未来に向かうことは孤独になることを意味している。

 重松は言う。50歳前後の人、そんな勇気がありますかと。

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| 古本読書日記 | 09:10 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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