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綾辻行人    「殺人方程式」(光文社文庫)

 新興宗教「御玉神照命会」教主のお籠り修行のとき、首、腕がバラバラになった教主の死体が、川を挟んだマンションで発見される。この少し前に教主の夫人が列車にひかれ死ぬ。他殺か自殺か不明。その後、何人かが、自殺のようにみせかけ殺される。

 お籠り修行中は3か月間、教主は教団をでることはできず、修行場でずっと修行に励まねばならない。そんな中で、教主の死体が、川を挟んだマンションで発見されるのだから、教主は当然秘密裡に外出して殺害されたと読者は錯覚する。しかし、実は修行場に誰かが忍び込んで教主を殺したのが真相。

 でも、そうなったとき、この死体を守衛が見張っている中、どうやってマンションまで搬送したかが事件を解く鍵。このトリックがよくない。滑車を設置しロープをまきつけ、そこに死体をぶらさげ、隣のマンションまで運ぶ。更に、首や腕、死体を運んだ袋などをほんの短い間に、捜査をかく乱するために、幾つかの場所へ持ち運ぶ。

 普通殺人で、こんな大げさかつ危険が高い仕掛けを使うことなどあり得ない。しかも、滑車をほのめかすような描写は事前に全く無く、突然、名探偵が登場してトリックがすべて解明したと説明をする。これでは、読者は唖然とするだけで、推理を楽しむ暇もない。

 更に犯人が捜査をしている刑事であることも、あまりにも突飛すぎて感心しない。

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| 古本読書日記 | 20:14 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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