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今野敏    「パラレル」(文春文庫)

 今野は基本的に警察物を中心とした推理小説家なのだが、小説によっては呪術師を登場させた伝奇的色合いが強い作品や、武術家を登場させた武道小説の色合いが強い作品も過去発表してきた。

 この作品はそれぞれの小説に登場していた人物をフルキャストでしかも平等に登場させ、推理、伝奇、武道を3つ絡めた総合エンターテイメント小説にしてある。サービス満点小説というところだろうか。

 現代社会での、大人と子供の関係は、氷のごとく冷たくその対立関係は深く深刻である。
次々起こる少年少女たちの凶悪な犯罪、大人たちによる無力な子供たちに対する恐ろしいDVや殺戮。それぞれが完全に対立して憎しみ合っている。

 この小説は、暴走少年たちにより無残にレイプされた少女が、自分と性関係を持った大人を亡者(すべての理性がとりはらわれ、情欲など感情だけで動く者)にできる呪術能力を獲得して、亡者になった大人たちを呪術により支配して、暴走少年たちを次々殺してしまう小説である。

 あまりエンターテイメントという感じがしない。街を彷徨している、犯罪者予備軍のような少年少女たちを、亡者になった大人たちにより殲滅してしまえということを今野は言いたいのだろうか。少年法も確かに甘い。

 しかし、我々が大人と無法で暴れる子供たちのことを考えても、どうしたらいいのかは全くわからないのが切ない。

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| 古本読書日記 | 16:28 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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