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綾辻行人    「黄昏の囁き」(講談社文庫)

 綾辻「囁き」シリーズの3作目。

 相変わらずの、正体不明の囁き、「おじぞうさま」「わらった」「わらった」はサイコホラーとして効果十分。
 「おじぞうさま、わらった」は「だるまさん、ころんだ」と同じ遊び。鬼の子が「わらった」と言ってふりむいたとき、止まった子がにこっと笑っていなければならない。

 この物語は、主人公が大学から帰省していた今から15年前、主人公の兄を含め、4人の子供が、「のりくん」という子を「おじぞうさん わらった」という遊びをしながら、いじめていた。その、のりくんが地蔵丘にとめてあった車が急に後ろ向きに走ってきて、ひき殺される。いじめっ子の4人は怖くなって逃げる。

 その4人が主人公が帰った15年後に囁き声とともに、次々殺される事件が発生する。

 意表をついたのが、このいじめにあっていた「のりくん」は子供ではなく、痴呆症の徘徊老人だったこと。このトリックには唸った。
 しかし、綾辻にしては犯人の動機付けにこの作品では無理があった。

 犯人は、占部という男性のお母さんで、ひき殺されたのは占部のお爺さん。実は、車にはお母さんが乗っていて、お母さんがサイドブレーキを解除することでお爺さんが轢かれた。

 このお母さんが、自分が殺したのではなくて、お爺さんが殺されたのは、4人の子供が逃げたこと、これがいつしか彼らが殺した犯人にお母さんの頭の中で変化し、お爺さんの復讐のため4人を次々殺害したと綾辻は物語を展開させる。

 これは、ありえない。こじつけが過ぎて残念な作品になってしまった。

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| 古本読書日記 | 17:48 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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