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スティーブン・レベンクロン  「自傷する少女」(集英社文庫)

 よく女の子に多いのだが、自分の腕に刃物で傷つける子がいる。

 この作品によると、ものすごく精神的に追い詰められて、このままでは完全におかしくなると感じたとき、その精神的かい離を防ぐために、腕に傷をつけ、精神的圧力を忘れ、傷ついて痛いことに集中するためにしていることなのだそうだ。つまり、決定的な破滅を防止するために本能的にしてしまうことなのだ。

 この作品に登場する主人公の少女ケイティは、フィギュアスケートの一流選手を目指して、ロンコーチと母親に支援をうけ、懸命に厳しい練習に励んでいる。2回転ジャンプは時々成功することもある。3回転ジャンプは挑戦するも未だ成功できない。2回転ジャンプを失敗すると母親が強烈な罵声をとばす。それがプレッシャーになり、回転前に頭が空白になり、失敗する。すると母親の罵声のなか、どうしても腕に傷をつけたくなる。

 ある日、学校で、この空白がやってきた。そして、壁に顔や頭を自分でぶつけることを続けて、血だるまになる。

 そこからセラピーを受けることになる。

 この物語では、モンスター母親がケイティの自傷行為を誘引しているように語られる。父親を離婚で失った母親は完全に人生の生きがいはケイティだけになる。それがケイティのためにやっていることだと置き換えているところが救いようがない。

 セラピーを通じてケイティが母親の傘から脱却して、母親と対等になってゆく過程が展開する。現代どこにでもありそうな話でなかなか重かった。

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| 古本読書日記 | 20:43 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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