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原田マハ   「翔ぶ少女」(ポプラ文庫)

 阪神淡路大震災を扱っている。

 震災で一番つらい経験をしている人は、家族のなかに亡くなった人がでた人なのだろう。しかも、この作品のように、目の前で、助けることができなくなった家族が亡くなってしまった経験をした人は本当につらい。そして、そんな人は、阪神淡路でも、東日本の大震災でもたくさんいたのだろう。

 イッキ、ニケ、サンクの三兄妹は、大震災で、3人は逃げることができたのだが、両親は倒壊した家屋の下敷きになり亡くなった。特に母さんは、倒壊した家の下敷きになった時はまだ生きていた。瓦礫を取り除くことができなくて、見殺しとなった。そのとき、近くの心療内科医のゼロ先生が通りがかり、この悲劇をみて、孤児になった3兄妹を自分のところに引き取って育てることにした。それは、ゼロ先生も、妻を下敷きになった家屋から救えない体験をしたばかりだったから。更に、一人息子で医者である裕也は、父が母を見殺しにしたと思い、そんな父親は家族ではないとして家をでる。

 ゼロ先生は、身を犠牲にして、震災被害者の治療と救済にあたる。一方、震災で主人公である長女ニクは足に大けがをする。ゼロ先生の懸命のお願いで、息子裕也が専門外であったが手術をしてあげる。それで、後遺症は残ったもののニクは何とか歩けるようになる。

 ニクは、ある日突然体の変異に気がつく。何か、真剣に思いつめたとき、肩甲骨のあたりが強烈に痛み血が流れてくる。そして、その肩甲骨のところから羽がはえてくる。

 ゼロ先生が突然、心臓発作で倒れる。高度な手術を受けないと治らないことがわかる。そしてその手術ができるのは息子の裕也しかいない。
 ニクたちは裕也に会って手術をお願いするが、母を見殺しにした父の手術はしないと拒否される。

 憔悴しきって、宿にもどってきたニクに、肩甲骨に鋭い痛みがはしり、羽が生えてくる。夜の空へむかってニクは翔ぶ。そして、裕也のいる病院にゆき、懸命に手術をお願いする。そこで裕也も手術をすることを受け入れる。この空を飛ぶところが物語のクライマックス。

 この作品は、文章が意識して小学生が読んでもわかるように簡単明瞭に書かれている。小学校の図書室に並べてもらい、多くの小学生に読んでほしいとの原田さんの願いがこもっている。

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