FC2ブログ

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

≫ EDIT

津村記久子   「アレグリアとは仕事はできない」(筑摩書房)

会社には、当たり前のようにあって、誰もがその恩恵にあずかっているのに、存在を忘れ去られているようなものや人がある。プリンター、コピー機はその典型である。

 主人公のミノベさん、誰も動いて当たり前と思っているプリンター機が、いつも気持ちよく動いてくれるよう気にかけている。そんなことに気を使っているミノベさんは、会社にとっては必要な人なのだが、あまり存在感は無い。

 ミノベさん、会社に友達はいそうにない。プリンターが友達だ。その友達プリンターの名前が「アレグリア」。最新型ということで購入したのだが、どうにも調子がよくない。よく勝手に「ウォームアップ」状態になり休む。肝心なときに故障する。それで、最近は「アレグリア」に対し怒りまくっている。

 「仕事をしろ」「アレグリアが憎い」

 確かに会社には、ミノベさんのような人がいた。プリンター機が動かなくなることは頻繁にある。そのたびに「助けてくれ」と大声があがる。ミノベさんがさささっと登場して、ちょこちょこ何かするとプリンター機の機嫌が直って動き出す。

 津村さんは、会社事務所でプリンターの置かれた状況と、そのおもりをさせられている事務員の姿を面白くとらえている。ミノベさんが、動かないプリンター機に対し頭にきて飛び蹴りをするところの気持ちがわかるし、怒りが伝わってくる。

ランキングに参加しています。
ぽちっと応援していただければ幸いです。
にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

| 古本読書日記 | 19:14 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

COMMENT














PREV | PAGE-SELECT | NEXT