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湊かなえ    「高校入試」(角川文庫)

高校入試での不正、そのことを暴露して大騒ぎになっているネットとが、上手く共存していない。テーマは面白いだけに、惜しい出来栄えの作品だ。

 それでも興味深い点がいくつもあった。

私の住んでいるのは地方都市。地方都市に必ずあるのが名門高校。東大のような大学に行く人は、地方に戻ってくることはないが、まあそれなりの大学を卒業した人の中には、地方に戻って働く人も結構いる。

 面白いのは、名門校に入れず、それ以下か私立高校に通って、頑張って良い大学に入り地方にもどってきても、あまり評価は高くならない。重要なことは、どこの大学を卒業したかでなく、名門校卒業の方が価値が高くなるのである。名門校卒で固まり、役所とか校長などの権力クラスは抑えられてしまう。名門校をでないで、その名門校の先生として赴任してきても、一段と程度の低い先生と先生仲間からも、親御さんからもみられてしまう。この小説の描いている通りである。

 高校入試の採点というのも大変。マークシート式でなく、記述が主となると、数学のように答えがこれしかない科目は問題ないが、国語だ、社会だとなると本当に実態は大変なようだ。一つの言葉の意味も、スタンダードな意味に加え、隠語や古語などがあり、6つ、7つあるのは一般的。それをスタンダードな意味だけで採点はできず、辞書を首ったけにして採点をしている。大文字、小文字、返り点、はねなど細かく見て採点をする。

 40人受験者がいたのに、解答用紙の回収数が39で一枚足りない。先生らしい、事なかれ主義で、白紙の解答用紙を一枚しのばせて収めようとする。ところが、今は、生徒同士で受験後自己採点をする。だから自分がどのくらいの点数だったかはわかる。もちろんそれで合格しているかはわからないが、少なくてもまわりに自分より点数が低い学生がいることはわかる。

 白紙は当然ゼロ点となる。それを受験場でみてしまった。それなのに見た受験生が白紙の受験生より点が低いのに合格している。知らなかったのだが、今はそうした場合、答案用紙とその採点の開示を要求できる制度があるそうだ。

 今、辻褄があえばよいというわけにはいかないわけだ。

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| 古本読書日記 | 21:35 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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