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乃南アサ     「暗鬼」(文春文庫)

物語だからと受け入れながら読むが、主人公の法子が、9人家族の家庭に悩みながらも嫁ぎ、同居をする、大丈夫なのかと心配する。

 我が家の周りにも数は多くはないが、二世帯、三世帯住宅がある。子供たち夫婦は、両親や祖父祖母の面倒をみる見返りに、家と土地をもらえる、こういう打算が互いにあることで成り立つ構造である。

 しかし、最近では殆どの家庭は、子供は家を離れ、老夫婦だけで暮らしていたり、夫婦の片割れが亡くなり、孤老として住んでいる家ばかりになった。

 嫁、姑の争いというふうに矮小化するが、嫁にとって異なった家族のなかにはいるということは、嫁と姑ではなく、嫁と嫁いだ先の家族の争いというのが現実だ。家とか家族。それを構成する人たちには当たり前のことだと無意識に行動していることの中に、新しくやってきた人には抵抗し、拒否したい風習や決まりがある。それが摩擦。そうすると、嫁に対し、夫を含め家族全体で風習を守るように圧力を嫁に加える。だから、嫁は旦那に結婚するとき、ずっと同居をしないことを条件に結婚をするのである。

 この物語は、そんな摩擦をデフォルメして扱っている。

 家族というある宗教団体に入信させられ、それに悩み、戦ったり、妥協したりする姿が実によく描かれている。法子の姿が悲しく、切ない。

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| 古本読書日記 | 06:26 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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