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我孫子武丸   「たけまる文庫 怪の巻」(集英社文庫)

 ホラー短編集。

 神経病の世界というのは、私に知識が無いのか、色々妄想を広げることができる。神経病は病巣が物理的に特定できないから行動、言動により患っているかどうかを判断する。行動、言動というのは、数限りないくらい色々の表出があるから、分類がきちんとなされないと、毎日のように「~症」というもっともらしい名前をつけた新しい病名が次々誕生している。   こんな状態になると、全ての人が神経病患っているように思えるし、神経病患者を装っても、毎日「~症」と命名できる病気を発見できる学界だから、正常人とは気が付かないことが多いのではと思う。

 神経病院の閉鎖病棟。ここに、自分は神経病の医者であると信じて行動する患者がいる。たいがいこんな風に奇異な想いを抱いている人は、一般の人に比べ、物事にたいする執着力、集中力が異常に強い。

 だから、神経病に関する専門書を読み込み、病気の分析、発見、処方について多くの知識を得る。すると、下手をすると病院の医師より病気にたいする知識が多くなり、医師としての技量が名医の領域に達する。

 閉鎖病棟で毎日誰彼を捕まえて、診察(診察ごっこ)をする。それで、手の施しようのない患者を次々治癒させてしまったらどうなってしまうのだろう。

 この短編集の「名医」という作品を読むと、妄想が頭の中を舞いおかしな気持ちになる。

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| 古本読書日記 | 06:53 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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