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乃南アサ   「5年目の魔女」(幻冬舎文庫)

 会社の同僚で友達だった女性社員と同じ上司との不倫の間に挟まって、色んな噂をされ会社を辞めざるを得なかった主人公。その後、同僚女性も上司も会社をやめ、パブをはじめるが3か月で失敗、そして不倫はどろどろの関係に陥る。そんな噂を人伝手に聞いたから、きっとあの娘は、更に不幸のどん底であがいているに違いない。そう思うと主人公は、どうしてもあの娘の成れの果てを見たくなる。

 そして、彼女の実家を訪ねたり、隣の市を訪ね、彼女が売春婦までやっていたことを知り、やっぱし思った通りに人生奈落の底に落ちたのだとにんまりする。

 そして次に勤めた会社の仕事の関係で、偶然に彼女に会う。彼女は何と陶器の大会社の社長夫人におさまっていた。全く想像とは180度異なる場所に落ちたと思っていた女性はいた。

 あの人は根性悪。だから、こうなるはず。誰も彼もがそう言う。そうなるとこうなるはずは、いつしかやっぱしそうなったと事実のように思いこむ。本当に人間というのは変な動物である。

 こうなるはずだった人は、実は社長夫人に収まった過程を嘘と虚飾を交え、それが事実のように喋りまくる。主人公は売春までやっていたことを知っているのに、そんなこと億尾にもださない。堂々と嘘をしゃべるのだが、社長夫人の喋り振りに接すると、主人公がであった事実がもしかしたら嘘なのではと思ってしまう。

 クライマックスは流石乃南で、息詰まるシーンの連続で流石と思わせる。最初が良くない。

 同僚の女子社員を、かなり自己顕示欲がつよく、嫌われ者、甘えん坊として乃南さんは描く。
それがどうして主人公と親友になるということが解せない。作品のどの部分からも、親友同士という雰囲気がでてこない。そこがひっかかりながら読者は読むので、クライマックスの凄さが半減してしまっている。

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| 古本読書日記 | 06:12 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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