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つかこうへい   「スター誕生」(角川文庫)

 これは、変わっているというか、なかなか挑戦的な小説である。

 伊豆大島、三原山で女子高生が火口に飛び込み不審死をする。そこに立ち会う玲子という同級生。そんな自殺に思える不審死が2回も玲子立会で起こる。その他にも、強姦事件や、心中を装った事件。不正融資事件など、これでもかと事件が起きる。

 小説はしーちゃんというスターを目指している玲子の付き人の視点で描かれる。普通こういう小説だと、しーちゃんが主人公となり、事件を推理する。ところが、この小説は、しーちゃんはただたんに起きていることを語るだけで考えたり推理することは一切しない。だから、読者は、今起こっている事件はどうして起きているのか、どう考えていいのか、全く暗中模索のなか、不安定にゆれながら作品を読むことになる。こんな手法で展開する物語はあまりみたことが無い。最後には事の次第はほぼ明らかにされる。でも、この挑戦的手法が成功したのかというと私としては疑問である。推理しない推理小説は頭が淀んで仕方がない。

 それから、女優になりたいと強い欲求を持つ女性というのは、周りがその舞台は出演しないほうがいいとかそれはイメージダウンになるとか指摘しても、本能的なカンや嗅覚にすぐれ、どこで何を成すべきかは、女優を目指す女性が勝手に決断して、スターダムにのしあがってゆくものだということがわかった。

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| 古本読書日記 | 06:10 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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