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宮本百合子    「貧しき人々の群」(角川文庫)

 たまに気晴らしにパチンコに行くときがある。おばさんと年金生活者と思われる人が多いのだが、結構働き盛りであるはずの人がたくさんいる。生活保護受給者の人もいるだろう。仕事、アルバイトよりパチンコを優先するひとがかなりいるように思える。20代だったらまあ、取り返しがつくのだろうが、殆どが40代くらいの人たち。どういう、生活をしているのだろう。この人たちはこれから大丈夫なのだろうかとつい心配してしまう。

 下流、下層の人々が溢れているといわれている。働く意欲はあるのだが、安定し、身分も保証されている社員になれず、契約、派遣で糊口をしのいでいる人たちが多い。

 しかし、そういう人たちに手をさしのべるべく、生活保護との名目で現金を与えると、享楽にすぐ使い、なかなか、人生を変えることにつながらない。

 この作品は、宮本が18歳のときの作品だ。小作の惨めな姿に接し、何とかしてあげたいという気持ちが宮本には強い。しかし、実情を知れば知るほど、とても18歳では、いや18歳でなくても、どうにもならない問題であることを知り、ただ茫然と立ち尽くす姿をこの作品は描く。

 この作品でも、寄付としてちょっとした金を小作人たちに与える。しかし、その金は、小作人が手にいれた途端、すべて酒飲み代に消える。今の生活保護のお金と同じ結果。

 下層に入り込んでしまうと、蟻地獄にとりこまれているように、どうもがいても、脱却できない。確かに大きな問題ではある。しかし、それをどうやって解決してゆくのか、全く施策がみえてこない。派遣契約社員の比率が労働人口のなかで高まっている。当然である、団塊の世代が定年退職になり、派遣契約社員として働きだす。その塊は異常に大きい。

 しかし、新聞は、わざとそういうことを隠し、派遣社員が増加しているとを問題と言う。それを野党政治家がとらえて問題化する。

 下層、下流問題は、内実を知れば知るほど、複雑。まずは、ああでもないこうでもないと空論をしゃべるより、宮本のように立ち盡す姿勢から政治家もマスコミも始めてほしい。

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| 古本読書日記 | 06:23 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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