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米原万理    「ガセネッタ&シモネッタ」(文春文庫)

通訳の極意、苦労話を集めたエッセイ集。
ど れを読んでも面白く感心するが、圧倒的に感動したのが、米原さんの師匠徳永博美さんの、ここでは小説として紹介するが、小説文学を作る極意についての説明。たまたま、米原さんが女性だったのでこんな説明になる。

 「そうねえ、池をつくるようなものよ。池の向こう岸を小説のたどりつく最終結論としてだねえ、池のこちら側から対岸にいたる道筋に沿って池の中に飛び石を置いていく。真っ直ぐで等距離なんてつまらないから遊びを取り入れることを忘れちゃいけないよ。蛇行させたり行きつ戻りつさせたり、間隔もさまざまにしてね。・・・・そして男がね、長めのスカートをはいてパンツをはかないで、ここが肝心なんだよ。パンツはあくまで脱いでだねえ、池のこちら側から向こう岸にむけて飛び石の上をヒョイヒョイと渡って行くわけ。そうすると、水面にチラリチラリ男の本音がうつるでしょう。ちゃんと見えないから、ついよく見ようと身を乗り出してしまうじゃない。そうやって読者を最後まで引っ張ってゆく。これが秘訣といえば秘訣かなあ。」

 まったくその通りだと思う。そういう小説の登場を心より期待してしまう。

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| 古本読書日記 | 09:08 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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