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伊坂幸太郎    「残り全部バケーション」(集英社文庫)

上手い。本当に上手いと感じた。

エンターテイメント小説。最近は竜頭蛇尾のもの、最初は奇想天外で面白いのだが、その後は尻すぼみか、逆にクライマックスが凄いのだがそこまでがだらだら長いもの、それから最初と最後だけあればいいような小説に意味の無い中味が押し込んである小説ばかり。少し長くて読み応えのある小説に殆どで会えなかったが、伊坂は流石超一流の書き手だ。久しぶりに手ごたえのある長編に出会った。

 この作品、最初にどーんと読者をクレーンでつりあげびっくりさせ、ふらふらさせておいてドーンと落とす。そしてクライマックスで最初の宙吊りと共鳴させた宙吊りをしてドーンと読者を落とす。その間、物語は小さな宙吊り、落とす、宙吊り、落とすをころころ繰り返す。常に、車輪が回転している雰囲気で読者は実に心地よい。

 感心するのは、ジョークがあたり一面に散らせてある。それが他の作家でみられるような、ジョークの単なる散らかしでなく、ジョークにもストーリーがありちゃんと落とし前をつけているところ。そのジョークの面白いものを紹介する。

 変わっていることで苛められている岡田君がいる。お父さんにそのことを言う。それは問題児だ。お父さんが答える。主人公は思う。問題は放ってはおけない。問題児には答え児がいなければいけないと。

 更に主人公の好きな担任の女性の先生がトラブルに巻き込まれる。色々主人公を含め生徒が気をもむ。すると先生が言う。
 「これは先生の問題だから放っておいて。」
でも主人公は考える。
 先生の問題を答えるのが生徒だと。
だから主人公は答え児になり、先生のだした問題に答えようとする。

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| 古本読書日記 | 06:19 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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