FC2ブログ

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

≫ EDIT

ゲッツ板谷      「タイ怪人紀行」(角川文庫)

同じようなタイ紀行を沢木耕太郎あたりがやれば、一人沈思黙考しながら、憂愁で抑えた文章で紀行文を書くと思うが、何しろゲッツ板谷、根が陽気で、いつも感情まるだし、怒ったり、声をはりあげたり、逆にショボンとしたり、とにかく道程すべてにわたり煩い。

 時々テレビでみる「こんなところに日本人」という番組。とても、文明国の日本人が住めるようなところでは無い、山奥や厳冬の最果ての村に住んでいる日本人を探し求めて行く番組。見ているだけで、あんなところには行けないし、行きたいとも思わない。それは、その地にゆくまでの交通手段(実際は飛行機などあるとは思うが)の殆どがバスで乗り換えもあれば、10数時間も乗りっぱなしなんて難行苦行、更にバスターミナルから山道を歩くなんてことがザラだから。

 この作品はタイ全国を殆どバス、それも一般の人が利用する冷房設備もないバスで回り、ホテルはすべてバックパッカーが泊まるゲストハウスかそれにちょっと毛のはえた旅荘。
 「こんなところに日本人」をいくつも詰め込んだような旅行記。多分、この本を読んでタイに行ってみたいと思う人は皆無だろう。

 この本で2つなるほどと思ったことがある。

まず、タイのお寺の懐の深さ。
 麻薬中毒患者の矯正、貧困家族の子供の受け入れや孤児の受け入れ、夏休みの子供たちのキャンプ場として、それからバックパッカーの宿泊など、追いつめられている人たちや教育、福祉の受け入れどころとなっていること。

 それからアメリカインディアン、イヌイットなどの原住民が、西欧人に追われ追い出される悲劇がよく描かれる。それにより原住民が消滅しそうになるが、この本を読んでタイの裸族などの現状を知ると違った想いももたげてくる。
 そんな追い出したり殺したりしなくても、貨幣や文明を持ち込んでいくと、文字を持たない原始的生活者は、文明社会に背をむけると絶滅してしまう運命にあるのだということ。

ランキングに参加しています。
ぽちっと応援していただければ幸いです。
にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ


| 古本読書日記 | 06:10 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

COMMENT














PREV | PAGE-SELECT | NEXT