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高嶋哲夫    「サザンクロスの翼」(文春文庫)

 大空を無心に舞うことだけを夢見ている主人公峯崎が、秘密の日本軍基地を特攻隊として零戦戦闘機でたち、インドネシアの孤島に不時着、逃亡兵としてその孤島に逃げてきていた野村と出会うところ。
 それから、終戦直後、アメリカのグラマンより格段に優れていた新型零戦戦闘機を日本軍が開発していて、戦争が終わった空に主人公峯崎が縦横無尽に舞い峯崎の想いを遂げるところ。
 この2場面はそれなりに読ませるが、その間の物語があまりにもひどすぎる。

 峯崎と野村がいたところに、オンボロ輸送機(ダコタ)がエンジン故障で不時着する。操縦士は若い女性。その女性の依頼で、このダコタを野村が修理。大潮を利用して、陸地にあげどこへ向かうのかよくわからないが、とにかく飛行を開始する。

 まず会話がすべて現在の日本で使われている言葉になる。戦争中、特に軍人はこんな今風の喋り言葉で話すはずがない。この物語が、戦争中の話とは思えない。

 それから、幾つかとんでもない苦難を超え、最後ジャカルタに着くのだが、そんな苦難までして何故峯崎と野村がオンボロ飛行機を飛さねばならなかったのか動機がわからない。

 しかも、このダコタは途中、峯崎が特攻で飛び立った秘密基地に立ち寄る。そこで、上官や同僚に会う。普通だったら峯崎はここに止まり、日本軍とともに運命をともにするはずなのだが、そこから更に飛び立ってしまう心情が物語では説明されない。

 高嶋版「永遠の0」は全くの愚作だ。

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| 古本読書日記 | 09:24 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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