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森絵都    「宇宙のみなしご」(角川文庫)

 森さんは、殻をやぶって生まれ変わる中学生を描かせたら、右にでる作家がいないほど上手だ。

 若草4姉妹といわれる仲間にはいっていて、追い出されないよう緊張している七瀬さん。パシリや掃除当番を押し付けられっぱなしの、苛められっ子のキオスク。グループにはいることをよしとせず、孤高としている主人公の陽子。そしてその弟のリン。

 陽子と弟のリンは、両親が仕事で忙しく、ときどき帰宅しない時がある。そんな時、真夜中二人で家をでて、昇れそうな屋根のある家をみつけ、屋根にのぼり空をみあげるという2人だけの遊びを楽しんでいる。

 色んな経過があって、七瀬さんとキオスクが現状から脱皮しようと、この屋根昇りに陽子リン姉弟と一緒に挑戦しようとする。七瀬さんは成功するが、恐怖が先に立ったキオスクは登れなかった。 それから三日後キオスクが自殺を図り、怪我をしたという話が広まる。
でも、陽子は知っていた。キオスクは脱皮したくて、屋根のぼりに挑戦。それに失敗してけがをしたことを。

 そして、中学生として生きていくことにぶきっちょな4人が最後と決めて屋根へのぼる。
その屋根の上で、七瀬さんが前の担任の冨塚先生の言葉を言う。

 「ぼくたちはみんな宇宙のみなしごだから。ばらばらに生まれてばらばらに死んでゆくみなしごだから。じぶんの力できらきらと輝いていないと宇宙の暗闇にのみこまれて消えちゃうんだよって」

 そして4人は見事に脱皮した。

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| 古本読書日記 | 06:54 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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