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森絵都     「リズム」(角川文庫)

 ケレン味のない、直球勝負の気持ちのよい小説だ。ちょっと青臭いところもいい。
主人公のさゆきは中学一年生。幼馴染の5人組がいる。これまでは、川べりを歩くとき、
丘を歩くとき、いつも先頭が高志くん、そしてお姉ちゃん、その後が真ちゃん、それから私(さゆき)。そして、後から置いてかないでと泣きながら懸命についてくるのが、弱くてどんくさいテツ。直線でまっすぐ行進のように縦に並んで歩いていた。
 それが中学生になるとバラけだす。中学生は変化のとき、子供から大人の入り口に大きく変わる。

 直球過ぎて、読んでいると照れるけど、三木先生のさゆきへの言葉がそんな大きな変化のことを言っている。
 木もいろいろある。

 「水をたくさんやったほうがいい木と、やりすぎないほうがいい木、放っておいても丈夫に育つ木と、まめに肥料をやらないと腐ってしまう木。色々よ。それぞれ個性があるのよね。
・・・・・さゆきちゃんはどんな木かな。」
 さゆきが答える。
「・・・しぶとい木がいいな。何回も枯れそうになっても、しぶとくしぶとく生き返って、きれいな花を咲かせるの。」

 中学生は、今まで無邪気で一緒に遊んでいた仲間たちが、体と心の変化とともに、個性が芽生え急に大きく育つ。そして、それぞれがそれぞれの個性のリズムをつかみ、歩み始める時である。

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| 古本読書日記 | 06:33 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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