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長野まゆみ   「宇宙百貨活劇」(河出文庫)

 長野さんは美大を卒業している。文章も芸術的と思うが、それ以上に言葉の形が見事にはまって、文章の形が美術作品のように思わせる。長野さんも意識して文章の形を作ることに力を注いでいると思う。

 この作品は長野さんが愛情こめて使う大切な言葉の由来と込められた想いが書かれている。

 大正時代発行の辞書を傍らに置いている。大正時代はまだカタカナが普遍的でなく、海外からきた言葉を表現するのに、カタカナでなく漢字を当てた。何かにつけ、その辞書をめくり、これは面白いという当て字をメモしておいて使うことが多い。

 ソーセージ=腸詰肉  ソーダ水=曹達水などが長野さんの作品では印象的。

 夜空のイメージ。長野さんには黒幕に星が散りばめられてはりついているように見える。だから黒い幕を揺すると、星がハラハラこぼれ落ちてくるように感じられる。それでできる言葉。
 「群青天鵞絨の天幕」これに「ぐんじょうびろうどのてんまく」とルビがふられる。

 最近の小説は意味も無く、とても考えられない登場人物に名前がふられる。長野さんの物語は登場人物の名前が、その人物の性格、行動形態を表す。だからとても重要。名前が物語をすでに語っている。
 「天体議会」の少年の名前が印象に残る。「銅貨」日焼けしていて、強く、頑固な子というイメージがしてくる。

 こんな小説を書く長野さんでもパソコンで原稿を書いているのだろうか。

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| 古本読書日記 | 10:32 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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