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長野まゆみ    「あめふらし」(新潮文庫)

たった220ページ余の薄い本なのに、途中で投げ出してしまった。

25年ほど前、長野さんが登場、中性的な少年が活躍する「少年アリス」「野ばら」が出版され、瑠璃石や独特の植物などに、ふりがなが振られ、文章はどことなく古文調、その美しさに完全に私はとりこまれ次から次へと長野作品を読み漁った。
 しかし、社会の真っただ中にどっぷりつかり、浮いたり沈んだりしているうちに、完全に社会の垢に心も体もなってしまったようだ。
 とにかく、そんな社会とは決して交差しない世界を描く長野さんの作品を今の私は受け付けなくなってしまった。耄碌し、頭も、いよいよ硬くなり、キャパキャパシティも狭まったことをこの作品を読みながら実感した。

 この短編集、長野さん、私のような読者のためにか、かなり現実世界に寄り添おうとされている。
 上流婦人というか上流おばあさんがいる。このおばあさんが、18歳で亡くなった娘に何とか結婚をさせてあげたいと橘河(名前)が経営する何でも屋のウズマキ商会にお願いにくる。それで、橘河は学生アルバイトの市村に相手をさせようとする。
当然娘は死んでいる。この作品では死ぬとみんな蛇になる。
 蛇が風呂にはいっている。娘となって風呂からでるのにとても時間がかかる。何故なら蛇から脱皮して人間になるから。 脱皮すれば背中に蛇が絵となりとりつく。

さてさて、何と相手の市村の背中にも見事な蛇のうろこがついている。
何だか市村も生きているのか死んでしまったのかわからない。ただ、わかるのは橘河だけがこの世とあの世を仲介するちからがあり、この仲介手数料によりウズマキ商会がなりたっている。幻想と現実がくるくると交差する。

 こんなに面白く、現実に寄り添うとして長野さん努力しているのに、受け付けられない私は実に情けない。

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| 古本読書日記 | 08:56 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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