FC2ブログ

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

≫ EDIT

立松和平    「地上の翼」(集英社文庫)

  今から30年前、立松は香港―北京ラリーでスバルチームのナビゲーターとして参加した、その立松の参戦記。今は多分、香港―北京は高速道路でつながっているだろうと想像するが、30年前は中国側に入った、深圳から武漢までは、ほとんど砂利か山岳でこぼこ道。だから、色んなアクシデントが起こる。更に途中の宿泊所がホテルでなく、小学校の校舎。机をくっつけならべてその上にマットレスを敷いて眠る。大変なレースである。
 その困難を打ち破り、北京まで辿るレース描写も面白かったが、時々立松が挿入する立松がソレレースより前に旅行した中国の情景描写が印象深い。

 旧満州、中国の北方内陸都市、チチハルにゆき街を歩いていたとき、アイスキャンディーを売るおばさんに声かけられる。それも日本語で「日本のかたですね。」と。
聞けば満蒙開拓団として青森の五所川原から家族全員で渡ってきたが、敗戦で逃げ遅れる。困窮でどうにもならなかったとき、無理に中国人の男性と結婚し、何とか生き延びて今アイスキャンディーを売って食べていると。

 このエピソード。私に恋愛とは、結婚とはどういうものか、その問いがズシンと迫ってきた。

ランキングに参加しています。
ぽちっと応援していただければ幸いです。
にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

| 古本読書日記 | 08:59 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

COMMENT














PREV | PAGE-SELECT | NEXT