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平 安寿子   「さよならの扉」(中公文庫)

  主人公仁恵は専業主婦。娘は家をでていて、夫の定年まではもうすこしある。その夫が突然末期癌を宣告され、死が迫る。そんな時、夫が5年間にわたって愛人がいたことを告白する。

 そこから、仁恵の愛人志生子に対する執拗な密着行動が開始される。
志生子は、仁恵の夫とは、割り切った大人の関係。いつでも切れてもよい。それほど、恋愛感情があふれていたわけではない。ところが仁恵はしつこく夫のどこが好きだったのか。愛のつよさはどれほどだったのか。結婚はしたかったのではとか、ねちねち迫る。
 最初は復讐心が動機で仁恵は攻めまくっていたのだが、途中から志生子と、夫を介して繋がっていたような感覚が強くなり、志生子を同志、大切な友達と思うようになった。

 特にそのしつこさのすごさでは、仁恵の夫が亡くなったとき、茫然自失となった仁恵の経験から、志生子の父親が危篤になった病院に乗り込み、ありとあらゆる世話をしようとするところ。何しろ、親族や志生子と一緒に志生子の父親の最後を看取るところからしつこさが始まるのだから。

 狂って理解を越えたしつこさほど手におえないものはない。

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| 古本読書日記 | 13:27 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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