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西 加奈子    「ふる」(河出文庫)

私達は、自分の意志で生まれてはこない。で、生まれてからは、まわりの人たちに世話をしてもらい、育てられる。自分の意志とは別に、育てられ、叱られ、褒められ、泣いて、笑って、そのすべてが奇跡の連続のように思える。
 今確かに心臓が動いているが、生きている実感がわかない。主人公花しす(名前)は、ポケットにICレコーダーをいれて、すべての出来事を録音し、それをアパートに帰り、再生して何回も繰り返して聞き、生きている実感を得ようとする。でも、生きている実感わかない。いつも生かされているという思いが抜けない。

 その生かされているがいつ生きている、生きて行こうとする実感に変わるのだろう。

花しすは、アダルトビデオに映っている性器にモザイクをかけてぼやかす仕事をしている。
 そのモザイクを消す前のエヴリンという女性の女性器をみていたとき、そこから白いふわっとしたもの飛び出てきた。その時、そうだあの時だ。あの時もこの白いふわふわが湧き出た。
 それは花しすが11歳、病院に祖母を見舞ったとき、初潮をむかえた日だ。母は、父方の祖母にもかかわらず、祖母の大便、小便をなにも文句いわずに、処理をする。花しすは、その時はいつも母にもいわれていて、自分も見るのがいやで病室をでていた。しかし初潮の日、祖母の小便の処理を見ていた。顔や体は皺だらけなのに、女性器は輝き生き生きしていた。その女性器から白いふわふわが出ていたのだ。そして同じものが祖母、母、自分にもつながってあることをしみじみと思った。

 そこから、花しほは変わった。祖母の大便、小便の処理をするようになった。
 エヴリンの女性器から白いフワフワがでてきたとき、私も変わったときがあったことを思い出し、ここから自分も前向きに生きてゆこうと決意をする。

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