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佐伯一麦  「還れぬ家」(新潮文庫)

佐伯の今を描いた自伝的小説である。
父親がアルツハイマーとなり、その病状進捗と母親の父の世話、その母も老いて病気がちになってゆく苦しい老々介護の実情と、それに対する息子たち佐伯夫婦の介護支援を描く。

 実はあまりにも内容に違和感があり3分の2の時点で放りなげた。
 まず、扱っている介護は佐伯一家独特のものではなく、今はいたるところにある事象。世の中にある事象に比し佐伯家の今被っている事象が特に辛いというものは何も無い。それを、殊更、佐伯家独特の悩みのように作者佐伯が思っているところが世の中を知らなすぎと思って嫌になった。しかも、両親を佐伯の家に引取ってもよいし、親はかって下宿人を置いたほどの大きな家に住んでいるので、そちらに佐伯夫婦が移住すれば、物事は殆ど解決する。つまり、両親や佐伯家には不自由は多少あるが、一般の同じような苦難を抱えている人たちより状況はかなり恵まれている。

 佐伯のナルシストぶりが鼻につきすぎ。大変だ辛いと佐伯は随所で自分を描くが、全く介護や現状打破に役に立っていない。すべてを妻に押し付けているだけ。ひたすら佐伯は嘆くだけ。両親は佐伯の両親であり、妻とは直接関係が無い。
 それで、俺ほど切ない人間はいないと言うばかりだから、がっくりする。

最後はどうなるか知らないので、ハッピーな結果になっているのだったらごめんなさい。

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| 日記 | 06:17 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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