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大沢在昌    「新宿鮫 Ⅳ 無間人形」(光文社文庫)

 私の住んでいる市にも、市を牛耳っていると言われている一族がいる。前の市長はその一族からでていた。今の市長も、一族の意向ででてきている。一族は商社、運送、建設、農業関連の企業を経営している。更に、唯一この市にある暴力団も勢力下においている。こういう一族は、県や国の政界や警察などもこの作品にあるようにコントロール下においているのだろう。

 この作品、ある地方都市を完全に収めている香川一族、何かと香川本家に忠誠を誓わされている、分家の香川兄弟が、その囲いから飛び出そうとして滅んでいく姿を描く。

 兄弟は、まだ日本には殆どで廻っていないキャンディという名の麻薬の主成分を韓国よりとりよせ、それを自分たちの所有しているクルーザー内で加工して麻薬に変え、東京で売りさばく。その商売により、膨大な利益をあげ、香川家からの独立をはかる。
 その新しい麻薬をめぐり、販売ルート破戒のため、鮫島警部、麻薬取締官、更に販売を分捕ろうとして地元やくざやヤクザ崩れが暗闘する姿を描く。

 相変わらず、後半の兄弟間の緊張。鮫島が拉致された自分の恋人を救い出すところは迫力満点。
 ただこの話、分家が潰されただけで、本家には何ら影響を及ぼさず、地方都市に君臨を続ける。
いつか、大沢の手によって、君臨権力を木端微塵にする作品が書かれることを期待したい。

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| 古本読書日記 | 11:37 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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