FC2ブログ

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

≫ EDIT

長野まゆみ    「野ばら」(河出文庫)

夢は他の人は知らないが、自然の摂理に従って夜中にみる夢は、過去や現在の写し絵のようなものが多くリアリティがある。
 ところが、昼よだれをたらしながら微睡みのなかで見る夢は、いつもファンタジーの世界で、冒険をしていたりチャンバラでもしているような夢ばかりになる。
 この作品は、そんな昼の微睡みのなかで見る夢を描いているように感じる。しかも、夢かと思って目覚めるとそこがまた夢の世界で。

 主人公は学校にいる。学校を囲んでいる大きくのびた野ばらの生垣を突っ切ると、不思議な夢の世界からでられる。少年なのか猫なのかわからないが銀色(名前)が抜けでようとしたが失敗する。でも、主人公の少年は抜け出ることに成功して自転車で自宅へ走る。そこがまたファンタジーの世界。何故か、彼の家と学校はおなじ作りで大きな野ばらの生垣に囲まれているから。

 ひょっとすると、私たちも夜寝入りはなは、ファンタジーな夢をみているのかもしれない。忘れているだけだ。野ばらの白い花びらが雪のように降り注ぐ。そしてすべてが白いはなびらに埋もれる。こんなところで作品は終わる。
 読者に「おやすみなさい」と言っているような終わり方だ。

ランキングに参加しています。
ぽちっと応援していただければ幸いです。
にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

| 古本読書日記 | 12:36 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

COMMENT














PREV | PAGE-SELECT | NEXT