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天童荒太   「歓喜の仔」(下)(幻冬舎)

人間はどんなに絶望の場所に堕ちても、自ら死ぬことを選択実施する人はまれだ。とにかく生き続ける。本能なのかもしれない。生き続けるための条件。それはたとえ他人も絶望にあっても、繋がること。絶望同士がつながっても、互いが支えあえれば生きることができる。
生きていても、いいことは訪れないかもしれない。でも、繋がっていれば、思いっきり泣いたり笑ったりすることができる。

 それから、「永遠の仔」で不幸家庭に生まれ育った主人公の少年少女3人が生き続けることができたのは、自分が楽しい家庭の一員になっていることを想像しながら暮らすこと。
 この物語でも、兄妹たちは同じような環境にいる、内戦の国のリートを想像し創り上げ、何があっても屈することのないしたたかな強い少年リートとともに生きることで彼らは生き抜く。
 最初はリートの頑張り、戦いと主人公の兄弟たちの生き様は別々に語られるが、後半にゆくに従って、リートと主人公たちの話が重なり合ってくる。

 主人公たちのような絶望の淵にいる少年少女は日本ではまれ。しかし、世界に目を転じればきっと億人の子供たちが絶望と一緒に暮らしている。
 最初は違和感を感じた、末っ子の香が通う殆どが不法移民やどん底暮らしをしている外国人ばかりの幼稚園は、世界の今の縮図なのだとわかり納得できた。

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| 古本読書日記 | 18:57 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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