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天童荒太   「永遠の仔 四 抱擁」(幻冬舎文庫)

天童はこの四巻で少し物語の色彩を変える。

 優希の勤めている病院で、突然優希の前に岸川という上品な年かさのいった女性が現れる。そして岸川が、まるで優希の人生をみているように、殆ど同様の経験を優希に対し語る。しかも岸川の幼いときからそれは始まり、15歳まで続く。
 何でここで突然岸川などと考えてはいけない。人生には偶然がつきものなのだから。
 それでも、岸川の登場が物語に与える影響がもうひとつピンとこない

 それから、この物語は、介護、老人問題を描き出している。笙一郎の母親が若年性アルツハイマーで優希の病院に入院している。しかし、総合病院は長期の入院を受け入れない。しかもアルツハイマーは病気の進行を抑えることは多少できるが、治癒は不可能である。だから、病院はアルツハイマーの患者受け入れをやめる。笙一郎は母の入所施設を探すことになる。

 これが大変。個室完備のところなど最初の入所金が最低5000万円。億単位が相場。
更に、若年アルツハイマーは一旦入所すると他の人より入所期間が長くなる。それでは施設の運営に支障がでるため、受け入れを拒否したり躊躇する施設ばかりになる。

 全く、日本は弱い者には八方ふさがりの社会である。

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| 古本読書日記 | 12:41 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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