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長野まゆみ   「八月六日上々天気」(河出文庫)

この作品は、広島原爆投下とその悲劇や、特攻隊で死に向ってとんでゆく震える状況は全く描かれていないが、原爆投下と特攻隊の悲惨な事実を読者にズシンと伝えている。
 女学校に通う15歳の主人公珠紀には4歳年下で珠紀になついている四朗という従弟の少年がいる。この少年はひょろひょろの体格なのだが、兵学校を志願する。
 それから4年がたつ。
 珠紀は、その少年の先生と見合い結婚。先生は教職をやめて、兵役に服する。そして結婚一週間後には入隊する予定である。
 珠紀は夫とともに伊豆で新婚旅行を送り、その足で、夫に実家のある広島にむかう。そして、夫は入隊して、最終的に特攻隊基地鹿屋にゆく。

 15歳になった四朗が、兵学校を受けるため広島の珠紀の家にやってくる。ある夜、眠りから覚め目を珠紀があけると、夫が枕元にいた。
 「最後の別れを言いに来た」と言って朝いちばんの汽車で鹿屋に向った。夫が返ってきたことはだれも気付かなかった。

 8月6日の朝7時に従弟は、広島駅に友人とおちあうため向かった。珠紀は白玉の泡蒸しを朝と作っていた。その途中で大きな地震が起こった。そのとき突然従弟が帰ってきた。
 「お姉さんの泡蒸しを食べたい」と。そして泡蒸しを食べた途端スーっと消えていなくなった。

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| 古本読書日記 | 11:55 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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