FC2ブログ

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

≫ EDIT

村上春樹   「海辺のカフカ」(下)(新潮文庫)

文化芸術の秋に読むことにふさわしい作品。難解な部分が多すぎるが、それでもズシンと重く堪える作品である。
 この作品のどこかにあったがギリシャ神話から
「人間が運命を創っていくのでなく、運命が人間を引き寄せる」
という引用がある。

 この作品で村上が描く得意の異界は、「運命」が支配する世界で、その「運命」は「根源的悪」というのだから大変な世界だ。そして、この異界を完全に支配している「悪」がジョニーウォーカーという男。このジョニーウォーカーが特殊な石に異界への入り口をつくり、今の世界の我々を誘いこむ。
 そして誘い込んだうちの人間の何人かを、悪を刷り込んでまた石を通じて、我々の世界に送り返す。その一人が、ナカダ老人。悪に魂を売った父親に嫌気がさして家出した15歳のカフカ君をおいかけ、カフカ君を悪の異界に引き込むために、カフカ君を追いかけ四国高松に向って旅立つ。引き込まれてしまうと、悪を植え付けられ、悪の伝道者、体現者として我々の世界に戻ってくる。カフカが何とか引き込まれないようにと願いながら読み進むのだが、結局異界に入り込んでしまう。
 しかし、そこでカフカを捨てて家を出てしまった母親と思われる佐伯婦人に会い、彼女の導きで悪の伝道者になることなくまたカフカは奇跡的に」我々の世界に戻ってくる。
 ナカダ老人に導かれ星野君が悪の世界への出入り口である石を探すところ、カフカが石から異界にはいり我々の世界に復帰するまでは、はらはらする描写が続き一気に読み進む。  

本当に村上の長編は秋の読書にぴったりである。

ランキングに参加しています。
ぽちっと応援していただければ幸いです。
にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

| 古本読書日記 | 21:56 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

COMMENT














PREV | PAGE-SELECT | NEXT