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松浦理英子    「犬身」(下)(朝日文庫)

この作品は、歪んだ家族が、朱尾というバーテンの策略にはまって、行き着くところまでいって崩壊してしまう物語だ。その過程はサスペンスもどき、最後の家族同士が殺し合う場面はすさまじい迫力がある。
 しかし、それでも疑問なのは、この物語に何故人間から変身してしまった犬が登場しなければならないのかということ。梓という主人公と一緒に、犬になってしまった房恵が暮らすのだが、殆ど犬と暮らす風景がでてこない。たまにでてきても犬らしさが無い。ガムなど与えると犬はよろこんで食いつくが房恵は抱え込むだけ。ボールを投げれば犬は我を忘れてボール遊びをするが、しかたないからボールをころがしてやるかとなる。散歩や、散歩をねだるところも殆どでてこない。
一方、テーブルの上にのり一緒にパソコンのブログを読んだりする。物当たりでのテーブルは低いから、犬が乗ることができるかもしれないが、普通、一緒にPCを見る犬など邪魔で机からおろしてしまうだろう。
 犬を起用しないでも、十分読むにたえうる作品になっているのに、犬を絡ませたために
作為が目立ち、物語の良さを減じてしまっているのは残念である。

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| 古本読書日記 | 14:32 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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