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彩瀬まる  「あのひとは蜘蛛を潰せない」

作者は私と同い年です。
主人公もアラサーの実家暮らし。母親より足が太いことや、服選びに自信が持てないあたりは、似ていると思った。

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綿矢さんの「かわいそうだね?」では、彼氏が「かわいそう」な元カノを居候させていることに主人公が苛立っていました。
この小説では、夫が「かわいそう」な末期がんの同僚を毎週見舞うことに、奥さん(主人公の義姉)が苛立っている場面があります。
幸い、私は、「あの人は『かわいそう』な人で、ちょっと心や頭がおかしいんだから、腹を立てるのはやめよう」と、優越感を使って自分をなだめるような経験は、今までありません。
他人の置かれた状況について、きつそう・辛そう・大変そうくらいは思うけれど、かわいそうとはあまり思わない。
たぶん、満たされているんだろうな(´・ω・`)

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あとがきで、「よくあるテーマだけれど、表現力が豊かで端正で繊細。かみしめたくなるような文章で、ぐいぐい読ませる」といった評価をされています。
確かにうまいです。幻を見ているような、夢かうつつかわからないような、すごい描写が続く。

話としては、一貫したテーマは多分あると思うのですが、どいつもこいつもトラウマ持ちというか、いろいろ詰め込まれているというか、おなかいっぱいです。
成功体験をばんばんばんと並べられ、主人公が成長したと感じ、気持ちよく読み終えられます。全部の懸念事項を回収し、導入部と似た場面できれいに終わらせています。
私は、『まだまだ私はだめだな。課題があるな』と主人公がため息つくくらいで終わってもいいと思うんですがね。
特に、バファリン女とのメルアド交換や、同僚への決め台詞(皮肉)あたりは、うまくいきすぎじゃないかなと。

| 日記 | 23:22 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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