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小池真理子「沈黙のひと」

主人公の、パーキンソン病を患っていた父親が亡くなり、遺品整理をするところから話が始まります。
ググったところ、「昔の帝大生でインテリだったと思っていた父の遺品整理で、段ボールに入ったアダルトビデオを発見」というのは実話だと、インタビューで語っていました。
そんなものかもしれませんね。
作中では、大人のおもちゃやローションも見つかります。
「施設のおばあちゃんと楽しんでいたの? 外部からそういうサービスの女性を呼ぶなんてできるの??」
と主人公や異母妹は首をかしげます。
・・・・・・どうなんでしょうね(^▽^;)

IMG_8628_20150831222555fb7.jpg

あとがきでも触れられていますが、登場する家屋の描写が細かいです。
使われていないダイニングテーブルに梅酒の容器が載っているとか、玄関の土間には黒い石が埋め込まれているけれどひびが入っているとか、ちゃぶ台の上にリモコンや薬瓶の入った箱があって薬瓶に輪ゴムが巻いてあるとか、玄関のドアを開けてすぐ急な階段があって二階は和室二間だとか。
縁側が腐って少し傾いているとか、アクリルの安っぽいカーペットが敷いてあるとか、座卓に白い布がかかっているとか。
昭和のにおいを出すために、必要な描写なのかもしれない。くどくない程度です。
そして、確かに祖父母が住んでいた家はこんなだったかもしれない。


好みの問題だと思いますが、認知症の母親に対して、「パパの分も長生きして、この先何回も桜を見てちょうだい」と言うシーンで終わってしまったほうが良かったかな~と。
回想でしか登場していなかった母親が、最後の最後にようやく顔を見せたという感じですし。

亡くなる前の父親が、まだ20代の同僚に、「衿子(主人公。50代)をよろしくお願いします」というはがきを出していたと判明するのが、実際の結末です。
「やっぱり、かわいい娘に家庭を持ってほしいと、最期まで思っていたんだよ。
主人公が、母親の認知症について打ち明けるため『パパに報告しなきゃいけないことがあるの』と言ったとき、お父さんは男ができたという報告を期待したんじゃない?」
と思う反面、
「主人公がオンナであることを意識させるようなエピソードを結末に持ってこなくてもいいのに。父娘の話でしょ?
息子ほどの年齢だと主人公も思っているし、カピバラ顔だし、なにも進展はしないだろうけどさ。
『若い男の子相手に、パパったら何書いちゃってるのよ』と、主人公を戸惑わせた状態で締めるのって、なんかすっきりしないな」
というもやもやが残る。

全体としては、いい話だと思います。親の介護問題を現在抱えている人や、すでに看取った人の方が、共感できるかもしれない。

| 日記 | 23:07 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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