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乃南アサ  「鎖」(下)(新潮文庫)

今は就職、職探しで失敗すると、ストンと蟻地獄に落とされる。いったん、おちてしまうと、もがいても、もがいても余程のことが無い限り、地獄から脱出ができない。
 バイトをする。しかし、面白くないし、明日への展望など全くなくなる。だから、ちょっとしたことでバイトをやめる。そして、パチスロに狂い、借金をする。これはまずいとまたバイトを探す。 バイト、パチスロ、行き詰まり、バイト、パチスロ、行き詰まりをスパイラル状態で繰り返す。
 俺の人生こんなはずはねえ。絶望、怒り、悲しみが交錯する。このまま死んじゃったら俺の人生は何だったのか。このままじゃ死ねれねえ。こんな鬱屈マグマが日々溜まる。
 年老いてしまえば、しかたねえと諦めマグマの抜き方も身に着くが、中年までは、時にマグマが爆発することがある。そこででかい罪を犯す。そして、蟻地獄に引っ張られ消え去る。
 中学生一年生殺人が今、巷をにぎわしている。似た事件が頻発している。
 あちこちに爆発寸前のマグマが日本中に溢れている。
この作品はそんな行き場のないマグマの暴発を扱っている。乃南のこの作品には蟻地獄に生まれてしまって底辺しか這うことしか知らない加恵子という女性が登場する。
 この加恵子が物語の最後で実にいい味をだす。

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| 古本読書日記 | 15:08 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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