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阿部智里 「烏に単は似合わない」

松本清張賞を取った作品であり、読者の予想を裏切ることが帯で約束されています。
単行本は、四人の姫のイラストが描かれているんですね。ほっほう。

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プロローグで登場する「すみ」の正体や、若宮の選ぶ女については、予想を裏切ってくれたと思います。
他にもいろいろ、実はあいつが背後で動いていた、実ははったりに気づいていたが騙されたふりをした、実はあいつとあいつは手を組んでいた……と後半でばんばん明かされていきます。
裏の裏の裏という感じで先程までの「真実」がひっくり返されるし、登場人物が多くて誰が誰だったか混乱するし、正直ついていけませんでした。
視点がよく変わるし、三人称で語る(見る)姫たちも信用できないというか、事実が隠されたりぶれていたりするわけで……。
あせびの文通相手の正体も、ミステリー馴れしている人なら予想するんでしょうかね? 何が何だか( ̄▽ ̄;)
作者は私よりぐっと年下ですが、頭のいい人なんだろうな。うん。

若宮のキャラクターを気に入った人は、このシリーズを読み続けるかもしれない。
バルサとタンダのカップルが好きな人なら、結末がツボかな。私は、この1冊だけでもう十分です。

松本清張といえば、1ヶ月くらい前に「奇妙な被告」を読みました。
IMG_8632_20150827212237fbd.jpg
表題作のあらすじは、爺やが感想で書いていたので、ここで改めて説明はしません。
犯行推定時刻に麻雀を抜け出していたとか、被害者宅へ向けて歩く姿が目撃されていたとか、殺害する動機があったとか、そういう材料だけで逮捕した。
いざ裁判で、
「自白を強要された。遺体の状況に合わせて、殴った回数や角度について、供述のやり直しを求められた。凶器についても、警察が目星をつけておいた薪を選ぶよう、視線や身振りで促された」
と主張されると、警察側は反論できない。
その前に読んだ「渡された場面」も、誘導尋問で容疑者にぼろを出させ、刑事が、『君ハ思ワズ口走ッタネ』と言ったところで終わります。
カツ丼は出てきません。念のため。

なぜ最近思い出したかといえば、寝屋川の事件が「状況証拠を積み上げていくしかない」という状態になっていると、ネットニュースで読んだからです。
前科があると知った直後は、「もうそういう人間は社会に出さないほうがいいんじゃないか」と思ったんですが、動かぬ証拠や自供についての報道がなかなかないので、もしや偏見だったのだろうかと考えてしまう。
現行犯逮捕できる事件ばかりじゃないし、人を罪に定めるのは結構難しいのかもしれないですね。

| 日記 | 00:55 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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