FC2ブログ

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

≫ EDIT

越谷オサム  「ボーナストラック」(創元推理文庫)

ハンバーガーチェーンに就職した草野と仕事仲間の南。この2人を通じて、ハンバーガーチェーンの仕事や、普段の暮らしぶりが実に詳細に描き出される。しかも、客観的にではなく、彼らと同じ場所に入って、同じ息使いで。多分、越谷はハンバーガーチェーンで働いた経験があるのだろう。
 これにタイトルにもなっているボーナストラック、おまけの人生を歩むことになった、ひき逃げで殺され、そのまま行先を失い、幽霊となってしまった亮太が明るく楽しく絡む。
 幽霊亮太に絶妙な味がある。草野に「消えろ、失せろ」と言われれば、「どこへ消えろというの。どこへ行ったらいいのか幽霊の自分にもわからない。」と。
 この草野と幽霊亮太の間合いが実におかしく楽しい。
殆どが会話で物語が進む。この会話が、本当にそこいらの居酒屋で、若者達がそのまま会話している錯覚に陥るほど生き生きしている。そして、ウィットにとみ、質の高い落語か漫才を鑑賞しているような気持ちになる。
 ただ後半になると、幽霊である亮太が、草野、南と溶け合い、幽霊である特徴が消えて、普通の若者の会話になってしまい、並の作品になってしまったのが残念。

ランキングに参加しています。
ぽちっと応援していただければ幸いです。
にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ


| 古本読書日記 | 14:35 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

COMMENT














PREV | PAGE-SELECT | NEXT