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高橋由太 「猫は仕事人」

猫派なので、猫が出てくる話には手が伸びやすい。
そして、化け猫が情に動かされて人間のいざこざに介入するというあらすじに思えたので、「猫絵十兵衛」みたいなちょっとクサいコメディを期待したんですね。

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外れました。そもそも「仕事人」が何なのか考えずに買ってしまったんですよね。
まさかここまで、スパッ・ドシュッ・バサッ・ブシューって感じに血を飛ばして人が死ぬ話だとは思わなんだ。
化け猫に仕置きされる悪人たちは、首を絞められ、腹を刺される。
悪人に殺される人たちは、罪を着せられてさらし首とか、背中から出刃包丁でぶすりとか。新しくもらった奥さんが一味の人間で、病死に見せかけて殺されるとか。
「十兵衛」で懲らしめられる人間は、奉公人に粗末な飯しか食わせないとか、博打にはまって仕事道具も奥さんの着物も売っちゃうとか、ネズミを捕る猫を欲しがっている農家に高い値段をふっかけるとか、そんなレベルですからね。

貧しいことが罪であり、貧乏人は罪を着せられても文句を言えないし、夜鷹が斬り殺されても誰も気にとめない。孤児になった遠縁の少女を引き取って、そのまま女衒に売っても平気。
江戸時代のどのあたりかで状況は違ったかもしれないですね。幕末の設定だそうです。
今だって、貧しい人や前科持ちの人に冷ややかだったり、「そんな生活をしていれば被害に遭って当然」という意見があったり、娘に暗に風俗で稼いでくることを要求したり、あるとは思います。
それでも、表紙のかわいらしい絵と裏腹に、結構辛い内容だったなぁ、と思います。

あと、好みによるかもしれませんが、締めが物足りませんでした。
化け猫に入られ(のりうつられ)て下手人になった男女がどうなったかが分からない。平和が戻ってきたという描写が足りない。
化け猫仲間への友情に動かされて、まるが再び殺人に手を染めたという話なんです。が、視点がコロコロ変わるからまるの印象が薄くなっているし、揺れる気持ちもあまり伝わってこない。
その辺は続編で~ということなんでしょうかね。あまり、続きを読みたいと思えない。

| 日記 | 21:51 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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