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辻村深月 「鍵のない夢を見る」

同じ本を読んでみたシリーズ。
じいやの感想はこちら
巻末の、林真理子との対談もなかなか面白いです。

文章力のある作家さんで、すらすら読めます。直木賞受賞作ですしね。
心ざわつくイヤな話ばかりです。
最初と最後の話は、はっきりとしたバッドエンドになっていませんが、主人公の勘違い・鈍感・自己中心的なところが読者にがっつり伝わってくるので、やっぱりイヤな話ですね。
自分の正義を振り回す、イタい人間も多い。

爺やが感想を描いているのは、「芹葉大学の夢と殺人」です。
屈辱的なことを言われても男と縁を切れない女の気持ちは、何となく理解できます。
「彼には私しかいない」という思いこみとか、夢ではなく自分を見てくれる日が来るはずという意地とか。
むしろ、男が何を考えているのか分からない。
まぁ、受診したら何かしら病名が付きそうな人物なので、頭の中味を理解するのは難しいかもしれませんが。

キョンシーを知らなかったので、テンテンが人間であり、キョンシーを退治する側だと理解するため少し立ち止まりました。
懐かしのアイテムを出すのは、その世代の読者には喜ばれるかもしれませんが、ずれてしまうと分かりにくいですね。

作者自身、出産・育児を経験されたそうで、
「夜中におむつを替えて手を洗ったと思ったら、それは夢で、自分はまだベビーベッドの前に立っているだけだった。
目の前では、おむつを濡らした娘が赤い顔で泣きじゃくっている」
といった、育児疲れで現実と夢の境が分からないという描写が上手かったです。

| 日記 | 13:11 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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