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山田詠美  「明日死ぬかもしれない自分、そしてあなたたち」(幻冬舎文庫)

澄生と真澄は母の連れ子。創太は父の連れ子。両親からできた子は千絵。こんな複雑な子供たちがいる澄川家。だから、皆必要以上に明るく、元気をだして良い家庭、家族を演出しようとする。
 懸命に演出しているとき、長男の澄生が雷にあたって死んでしまう。そこから理想を目指した家族が一気に崩れる。まず母が澄生の突然の死に衝撃を受け、アルコール依存症になる。
父親の事業は失敗し大幅な縮小においやられる。そして、青春を迎えた真澄、創太、千絵。
真澄は外国人との不倫に走る。創太は50歳を超えたおばさんと恋に陥る。てんでばらばらでそれぞれが深い問題を抱える。そして、それぞれの親との血をめぐり兄妹の関係を悩む。その上に狂ってしまったアルコール依存症の母に振り回される。
 理想の家族が、たった一人の死でいとも簡単に崩れ、個々人の在り様がむきだしになる。
でもこの家族は、崩れた絆を復活させようと試みる。それが成功したかはこの物語では明かされない。
 この作品を読むと、家族という塊、絆が本当に必要なのだろうか。元々そんなものが人間社会に備わっているものなのか、特に子供たちが成人した後には家族は不必要なのではと考えてしまう。

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| 古本読書日記 | 15:14 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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