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五十嵐貴久   「最後の嘘」(双葉文庫)

ハードボイルドとエンターテイメントを掛け合わせた小説。だから、あまり中味をつっこまないほうがよいのかもしれない。
 いくら政治家の家庭とはいえ、高校のころから総理大臣になることを目標に計画をたて人生を進むなんてことがあり得るだろうか。しかも、総理大臣になるためには東大を経ねばならないということで、毎日遊びもせず、友も作らず10時間も勉強をする。最近の総理の出身大学をみれば東大卒はそれほどいない。どこか社会の見方が五十嵐はズレているような気がする。
 一流女子高に通っていて成績も優秀な生徒が、やくざのパシリで覚せい剤を扱っている男に簡単にはまってしまうものだろうか。もちろん、そういうこともあるだろうが、そこにはまり込んでゆく過程をしっかり書き込まないと物語にならない。はまってしまったことが前提で物語を創っても、実感がわかない。いくらクライマックスに力をこめて書いても、嘘っぽい印象が強い。
 人物の造形とその背景が書けていない。

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| 古本読書日記 | 16:25 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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