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乾くるみ    「セブン」(ハルキ文庫)

数字の7にまつわる、7編の短編集。
乾は理系学部卒業の作家。伊坂幸太郎も同じ。我々文系とはかなり考え、頭の構造が異なる。
この作品集も小説というよりパズルの解説書を読んでいる雰囲気。もちろんわずかだがパズルとは無関係と思われる作品もあるが。
 初っ端から、スペードのAから7までのカードゲーム。Aが一番強く、数字が大きいほど弱くなる。ただし7はAにだけは勝てる。こういう状態で、7つのカードを全員である7人にふりわけ、自分が勝てると思う人を指名して勝負をする。負けた人はその場で殺されるなんてゲームが登場する。誰を選ぶか、その心理戦が延々と続く。
 最後の作品は、7人が捕虜となる。その捕虜が4人と3人に分けさせられ、0から7の数字を選ばされる。それぞれに分かれた組では数字の何を選ぶかは相談できる。結果選んだ数字が重なった者は、その場で射殺される。どういう、数字の選び方をすれば、数字がかさならないようにできるか。或は、どういう数字の選び方をすれば犠牲者が最も少なく済むか。
その場合、だれを犠牲にして誰を救うか。相手の組の会話、心理を読む過程が描かれる。
 文系では何回か読みこなさないと、中味がなかなか解読できない。

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| 古本読書日記 | 18:23 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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